内容説明
-70℃、暗黒ブリザード、ホワイトアウト、未知の生物…想像を絶する過酷な環境。しかし、なぜそこに取り憑かれるのか?人を拒み続ける酷寒の大陸に長期滞在し、全土を回ってわかった、南極の現在と人類の未来!
目次
第1部 見知らぬ惑星―南極東部沿岸(マクマード基地へようこそ;ペンギンの行進;地球のなかの火星)
第2部 どまんなかの南極点―中央高原(暗い冬の天体観測;コンコーディア基地で地球史を探る)
第3部 南極半島は観光地―南極西部(人間が残した指紋;だれも知らない南極西部)
著者等紹介
ウォーカー,ゲイブリエル[ウォーカー,ゲイブリエル] [Walker,Gabrielle]
イギリスのノンフィクション・ライター。『ニュー・サイエンティスト』誌のコンサルタントを務め、BBCラジオの番組も持っている。ケンブリッジ大学で化学の博士号を取り、ケンブリッジ大学やプリンストン大学で教鞭を取った。ジャーナリストに転じ、エネルギー問題や気候変動のテーマを追求している
仙名紀[センナオサム]
翻訳家。1936年東京都生まれ。上智大学新聞学科卒業後、朝日新聞社に入社、主として出版局で雑誌編集に携わった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
26
2012年初出。 南極大陸は法的にどこの国の領土 でもない。 平和・科学活動のみの南極条約 が49か国により調印されているため(6頁)。 全図をみると、昭和基地って東経30-60度の間にある。 ということは、東経120-150度の間っていうのは、 日本の領土の経線上にない(20頁)。 僕の盲点であった。 みなさんはどう思うであろうか? ロス島のエレブス山は標高3800メートル!(46頁) 富士山並の高さとはこれも驚いた。 ペンギンはお馴染みだが第2章に出てくる。 2014/05/14
宇宙猫
19
挫折。半分くらい読んだけど、命がけって感じでもなく淡々と南極と動物の説明だった。ペンギンの話はおもしろいけど。2015/12/20
yooou
13
☆☆☆☆★ 現在・過去・未来、おりまぜた構成が絶妙。南極の様相を通じて浮かび上がる世界観に絶句。これはすばらしい本でした。そして地球温暖化否定論者の面々の罪深は南極の氷よりも深いという話。それこそ永久保存して人類絶滅後の知的生命体にも語り継いであげたいと思いました。2014/12/03
はる
11
5度にも渡る南極取材は確かに大変ではあっただろうが、住んだわけではないので、タイトルは元々の「南極」のみでも良かった気もする。南極に住む生き物の生態や、南極で研究活動をする各国のスタンス、気候変動の問題まで内容は幅広い。過酷な南極での越冬で心身のバランスを崩す人もいる中で、最もうまくやった人は社交的でも独断的でもなくあるがままに流される人、というのがなかなか興味深い。2022/12/16
くさてる
9
題名だと実際に南極に何年も住んだ人の体験記、という感じだけど、実際には南極で生活しながらそこで研究を行っている科学者を対象にしたノンフィクション。なんとなくイメージでしか知らなかった南極の意外な事実がいくつもあって面白かったです。とくに、火星と同じような環境の場所もあることや、南極という外部と隔絶した場所で生活することが人間に与える影響についての部分がとても興味深かったです。2013/11/02